シンクロナス・テクノロジーは、ハイレベルのエンジニアリングCAD (コンピューター支援設計) ソフトウェアでよく見られる機能です。これは、設計者やエンジニアが3Dジオメトリをより直感的かつ効率的に操作、編集できるようにするモデリング・アプローチです。
シンクロナス・テクノロジーにより、新しい構想設計を素早く作成して、設計変更に容易に対応し、アセンブリ内で複数の部品を同時に更新できます。設計の柔軟性により、面倒な事前計画を省き、フィーチャーの失敗やモデル再構築の問題、手間のかかるやり直しを回避することができます。シンクロナス・テクノロジーにより、マルチCADデータをネイティブ・ファイルのように扱えるので、サプライヤーやパートナーとのコラボレーションがシームレスに進みます。
CADソフトウェアのシンクロナス・テクノロジーでは、拘束駆動のモデリングと履歴なしのモデリングのどちらかを選択する必要がなくなります。モデルを再利用するために、プログラムの専門知識を習得する必要もありません。 さらに、複数のCADシステムからのデータの使用に煩わされることもありません。
柔軟なCAD設計作成
シンクロナス・テクノロジーでは、2Dスケッチと3Dスケッチの統合により、面倒な準備作業をしなくても、すぐに構想設計に着手できます。シンクロナス・モデリングの履歴なしの3D CADアプローチでは、設計したジオメトリに対して直接作業して、変更をすぐに反映できます。
従来、CADモデリングには履歴ベースのアプローチが含まれ、モデルの作成と変更は、タイムラインや履歴ツリーに記録された一連のステップ、オペレーションに基づいていました。この手法は、特定のタスクには効果的ですが、特に複雑なジオメトリやインポートされたジオメトリを扱う場合は、複雑で面倒になる可能性があります。
シンクロナス・テクノロジーは、ダイレクト・モデリングに重点を置く
一方、シンクロナス・テクノロジーは、ダイレクト・モデリングに重点を置いています。 これにより、ユーザーは元の構築履歴に拘束されることなく、ジオメトリを直接変更できます。その仕組みは以下のとおりです。
- 直接編集
シンクロナス・テクノロジーを使用すると、ユーザーはフィーチャーが作成された順序を気にすることなく、モデルのジオメトリを直接編集できます。これは、面、エッジ、頂点を、移動、サイズ変更、回転、またはその他の方法で自由に操作できることを意味します。
- リアルタイムのフィードバック
モデルに変更を加えると、シンクロナス・テクノロジーがリアルタイムのフィードバックを提供し、変更が設計全体にどのような影響を及ぼすのかを示します。この即時のフィードバックのループにより、より迅速な反復作業と意思決定が可能になります。
- インテリジェントな関係性維持
シンクロナス・テクノロジーは、モデルの異なる部分間の関係性をインテリジェントに維持します。たとえば、面の穴のサイズを変更すると、それに応じて周囲のジオメトリが調整され、設計意図が維持されます。
- 混合モデリング・アプローチ
シンクロナス・テクノロジーは、従来の履歴ベースのモデリング手法と並行して使用できます。この柔軟性により、設計者はタスクごとに最適な手法を選択でき、ワークフローの効率を最適化できます。
- ジオメトリの再利用と相互運用性
シンクロナス・テクノロジーにより、他のCADシステムからインポートされたジオメトリの作業が容易になります。ユーザーは、インポートしたモデルを直接編集、変更でき、最初から再構築する必要がないため、相互運用性が向上し、時間も短縮します。
全体として、CADソフトウェアのシンクロナス・テクノロジーは、モデルの作成と変更を、より柔軟、迅速、かつシンプルにすることで、設計プロセスを合理化します。これにより、設計者やエンジニアは、技術的な拘束にとらわれることなく、創造やイノベーションに集中できるようになります。
シンクロナス・モデリング
シンクロナス・モデリングは、CAD (コンピューター支援設計) ソフトウェアで使用されるアプローチです。モデルの履歴や構築順序に拘束されることなく、3Dジオメトリを直接操作、編集できます。これにより、ユーザーはモデルのジオメトリをより柔軟かつ直感的に変更でき、リアルタイムのフィードバックを通じて設計意図を維持することができます。シンクロナス・モデリングを使用すると、ユーザーは事前定義された一連のオペレーションやフィーチャーに従うことなく、モデルのジオメトリを直接変更できます。つまり設計者は、構築履歴に拘束されることなく、移動、サイズ変更、回転、またはその他の方法で、モデルの面、エッジ、頂点を簡単に操作できます。
シンクロナス・モデリングの主な機能
リアルタイムのフィードバック: モデルに変更が加えられると、シンクロナス・モデリングは即座にフィードバックを提供し、変更が全体の設計にどのような影響を及ぼすのかを示します。このリアルタイムのフィードバック・ループにより、迅速な反復作業と評価が可能になり、設計者は設計変更についての十分な情報に基づいて意思決定を下せるようになります。
インテリジェントな関係性維持: シンクロナス・モデリングは、モデルの異なる部分間の関係性をインテリジェントに維持します。修正が行われると、周囲のジオメトリが自動的に調整されて、設計意図が維持され、ジオメトリの整合性が確保されます。
ジオメトリの再利用、相互接続性: シンクロナス・モデリングにより、他のCADシステムからインポートされたジオメトリの編集が容易になります。設計者は、インポートしたモデルを最初から再作成することなく、直接編集、変更できるため、相互運用性が向上し、時間も短縮します。
混合モデリング・アプローチ: シンクロナス・モデリングは、従来の履歴ベースのモデリング手法と並行して使用できます。この柔軟性により、設計者はタスクごとに最適な手法を選択でき、ワークフローの効率を最適化できます。
シンクロナス・モデリングとシンクロナス・テクノロジーの違い
「シンクロナス・モデリング」と「シンクロナス・テクノロジー」は、しばしば同じ意味で使用される、密接に関連する用語ですが、CAD (コンピューター支援設計) ソフトウェアの領域では、概念はわずかに異なります。
シンクロナス・モデリング
- シンクロナス・モデリングとは特に、CAD環境内で3Dジオメトリを直接操作、編集するために使用するアプローチまたは手法を指します。
- シンクロナス・モデリングは、モデルの構築履歴やフィーチャーの順序に拘束されることなく、モデルのジオメトリに変更を加えられる機能が特徴です。
- シンクロナス・モデリングでは、面、エッジ、頂点などのジオメトリ要素を直接編集し、そのフィードバックをリアルタイムに取得して、設計意図を維持することができます。
シンクロナス・テクノロジー
- 一方、シンクロナス・テクノロジーは、CADソフトウェア内の幅広い機能を網羅しています。
- これには、ジオメトリの直接編集や操作だけでなく、設計とエンジニアリングのプロセスを強化するさまざまなサポート機能やツールも含まれています。
- シンクロナス・テクノロジーには、モデルの異なる部分間のインテリジェントな関係性維持、他のCADシステムとの相互運用性、混合モデリング・アプローチ (シンクロナス・モデリングと履歴ベース・モデリングの統合)、およびその他の関連機能が含まれる場合があります。
つまり、シンクロナス・モデリングは、CADソフトウェアのシンクロナス・テクノロジーの1つの側面/アプリケーションです。シンクロナス・テクノロジーは、ジオメトリの直接的な操作だけでなく、幅広い機能を網羅していますが、シンクロナス・モデリングは、これらの機能の中心的なコンポーネントです。どちらも、Siemens Solid Edge、Siemens NX、Siemens NX X CADソフトウェアに内蔵されています。
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