サービスを考慮した設計 (DFS) は、顧客の期待と競争力ある製品について考慮しながら、限られたリソースとコストの範囲内で、できる限り高水準のサービス・パフォーマンスを発揮することを目標としています。
サービスを考慮した設計 (DFS) は、保守サービスのさまざまな側面に取り組む製品ライフサイクル戦略です。信頼性、製品の構成、人間工学的な面など、こうしたさまざまな面が製品保守のコストや有効性に大きく影響します。サービスを考慮した設計は、製品ライフサイクル管理 (PLM) の重要な機能であるサービス・ライフサイクル管理 (SLM) に不可欠です。
保守サービスをしやすくしたり、逆に妨げたり、保守サービスに影響を及ぼす要素の多くは、製品に組み込まれていることにサービス・エンジニアリングの専門家は気づくようになりました。つまり、こうした要素は製品ライフサイクル全体を通じて保守サービスに影響を及ぼし続けます。サービスを考慮した設計が目指すのは、サービスの実施にプラスの影響を及ぼす要素を意図的に設計に含めることです。
サービスを考慮した製品設計は、製品の信頼性と保守のしやすさのバランスをうまくとれるようにした、体系的なフレームワークを提供します。
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サービスを考慮した設計戦略を実践することで、メーカーは新製品を市場に投入する前に、サービス部門がより高水準の保守サービスを提供できるよう支援します。また、サービスを考慮した設計は、エンジニアリング部門とサービス部門間の有意義な連携を促進し、より良い設計判断につなげます。
保守サービスのしやすさを念頭に置いて設計された製品を活用して、資産の保守に費やす時間を短縮し、メンテナンスに伴う資産のダウンタイムを減らします。
保守サービス案件、過去に発生した問題の可視化や、サービス・チームからのフィードバックによって、サービスを考慮した設計を実現するための貴重な知見が得られます。
資産のダウンタイムや非効率なサービスを減らす一方で、資産の稼働時間を増やします。
製造・展開される製品の保守サービスのしやすさに影響を及ぼすものとして、さまざまな設計要素や設計判断がありますが、なかでも特に大きな影響を及ぼすものがあります。
信頼性計画 – 製品の信頼性は、保守サービスや保証にかかるコストを左右する主な要因となります。かといって、信頼性を際限なく高めすぎると、また別の問題が生まれます。つまり、製品の量産への移行が遅れたり、最終製品のコストが上昇したり、サプライチェーンが複雑化したりする可能性があります。サービスを考慮した設計が目指すのは、信頼性を最大化することではなく、信頼性を最適化することです。競合製品との兼ね合いや、保証期間、選択した保守戦略の種類、サービス契約の種類に合わせて信頼性を最適化することが重要です。
構成 – 完成品の物理的な構成は、保守サービスや修理のしやすさに大きな影響を及ぼします。特に重要なのは、部品をモジュール化し、現場交換可能ユニット (FRU) として指定することです。FRUごとに、どの部品を在庫管理し、どの部品を修理する場所に運び、どの部品を交換し、交換後に中央修理センターに返送してさらなる修理、テスト、再認証をすべきかが決まっています。高度なFRUの場合、1回の修理で多くの問題を解決し、複数の障害の可能性に対処します。ただし、これらの高度なFRUは、単純なFRUに比べて、在庫管理や出荷、修理にコストがかかります。サービスを考慮した堅牢な設計戦略は、こうしたさまざまな要因を考慮します。
人間工学 – サービスを考慮した設計は、重量物の持ち上げや、高温面での作業、危険物の適切な取り扱い、そのほか高度な製品の保守・修理に関連するさまざまな作業を考慮します。こうした人間工学を考慮した設計の問題に対処することで、エンジニアは保守サービスを素早く安全に行うことができます。このような保守サービスを考慮した設計要素の例としては、物理アーキテクチャの変更、特殊なツール、特別に考案したサービス手法や手順などがあります。
Teamcenterサービス・ライフサイクル管理は、資産の稼働時間の最大化、修理の初回完了率の向上、資産寿命の延長、ターンアラウンド・タイムの短縮、在庫コストの最小化などのメリットをもたらし、最終的に顧客満足度を高めます。
Teamcenterサービス・ライフサイクル管理 (SLM) は、統合サービスBOM (SBOM) によって保守サービスのしやすさを向上させます。
