アクティブ・セーフティ試験

AEBS試験は、車対車のリアシナリオと、交通弱者試験の2つのカテゴリーで構成されています。車対車のリアシナリオでの自動緊急ブレーキ (AEB) 試験には、市街地システム (AEB) と市街地間システム(AEBおよび前方衝突警報: FCW) の2つの要素が組み込まれています。AEBの交通弱者試験には、歩行者シナリオと自転車運転者シナリオの両方が含まれています。シーメンスのADAS専任チームは、オフセット衝突や多様な配光条件など、複数の要件仕様を必要とする開発試験をはじめ、あらゆるAEB消費者試験を実施できます。

シーメンスは、Euro NCAP 2018のプロトコルに則り、緊急車線維持 (ELK)、車線維持支援 (LKA)、車線逸脱警報 (LDW) の要素で構成されるレーンサポート・システム (LSS) 試験を実施しています。これらのLSS試験には、Euro NCAP認定のAldenhoven Testing Center (ATC) を利用しています。このテストトラックには、Euro NCAPのすべてのLSS試験に必要な機能 (実際の道路端 (RRE) やさまざまな車線 (破線、実線、標識付き) など) が含まれています。

また、オランダ、メンディグの試験イベントエリアを活用して、緊急車線維持 (対向車線)、緊急車線維持 (追い越し車線)、ハイウェイ・アシスト (運転支援2020) の試験を実施しています。

シーメンスは、消費者試験に加えて、UNECEのECE-R130規則 (車線逸脱警報システム (LDWS) に関する自動車の認可の統一規定) およびECE-131規則 (先進緊急ブレーキ・システム (AEBS) に関する自動車の認可の統一規定) に準拠した規制試験を実施することを認められているRDW認定のラボでもあります。いずれの規則も大型車 (トラック・バス) の審査に関するものです。

自動車技術の進歩にともない、より多くの消費者試験が必要になります。シーメンスのADAS安全の専門家は、Euro NCAPのワーキング・グループの一員として常に規則の変化に関与しています。このため、未来のプロトコルに対応したADAS試験をお客様に提供することができます。また、お客様は未来のプロトコルについて助言を受けられるだけでなく、開発の初期段階にコンサルティングを受けながら車両やシステム、コンポーネントの試験を実施することができます。

消費者試験や認証試験に使用する最新の試験ターゲットを完備しています。シーメンスのグローバル車両ターゲットは、自走式GPSガイド付きプラットフォーム上で制御可能なソフト車両ターゲットです (1cm単位の精度)。 衝突すると、ターゲットのフォームボディは軽量部品へと分離するため被試験車両の損傷を避けられます。ターゲットは、次の試験走行までに素早く組み立て直せます (約10分で組み立て可能)。グローバル車両ターゲットの最高速度は時速100kmで、最新の試験要件を満たしています。ターゲットはM1乗用車と同じレーダー、ライダー、視覚的属性を備えているため、被試験車両からは同じように見えます。VRU (交通弱者) 評価には、4activeの関節駆動成人ダミーと子供ダミー、成人自転車運転者ダミーを使用します。これらのダミーは、人間のようなレーダー反射断面積、赤外線および視覚的特性を持つように設計されており、衝突と再構築が自在です。

シーメンスのADASチームは、Anthony Best Dynamics CBARやSR60ステアリング・ロボット、SR15ステアリング・ロボット、SPT20歩行者推進ユニット、誘導ソフト・ターゲット、TrackFi V2Vシンクロを使用して、試験に最適な環境を整えています。試験車両とターゲットでのGPS誘導には、Oxford Technical Solutions (OxTS) 6軸IMU RT3003とRT3003X、OxTS DGPSベース・ステーション、OxTS RTレンジ・システムを使用しています。シーメンスは、ドイツにあるEuro NCAPの認定テストトラックであるAldenhoven Testing Center (ATC) を利用しています。このテストトラックは、すべての消費者試験に加え、ECE-130規則とECE-131規則に準拠しています。