設計エンジニアリング

シーメンスのエンジニアリング・ソフトウェアは、幅広い業界で利用されており、設計、シミュレーション、製造に不可欠なツールを揃えています。デジタルツイン技術は、プロセスの最適化と効率の向上に役立ちます。製品開発からコラボレーションまで、シーメンスのソフトウェアは世界中のエンジニアリング・プロジェクトでイノベーションと精度を推進しています。

• 産業機械 – 新製品導入
• バッテリー – 産業用バッテリー開発の加速
• 自動車 – 車両電動化
• エレクトロニクス – 電子システム設計
• 医療 – 医療機器設計
• 医療機器 - 設計管理
• コンシューマー製品 – コンシューマー製品の設計
• 消費財 – エンタープライズ・レシピ管理
• エネルギー/ユーティリティ – 発電所の設計
• 重機 – 重機の設計
• 重機 - エンジニアリング・シミュレーション
• 海洋/造船 - 船舶設計および海洋エンジニアリング

Siemens NX、Teamcenter、Simcenter、Siemens Xceleratorポートフォリオといった高度な設計ソフトウェアを使うと、従来の設計手法に強力なソフトウェア機能を組み合わせたエンジニアリング設計プロセスを築くことができ、効率や精度、コラボレーションが向上します。製品設計、エンジニアリング、製造のためのシーメンスの包括的な統合ソフトウェアは、CAD、CAM、CAE、PLM、シミュレーション、E/E設計用の多岐にわたるツールを備えています。エンジニアリング設計プロセスは、以下の主要な段階で構成されます。

• 問題の定義と計画:
  • すべての要件と制約をはじめ、エンジニアリングに関連する問題を明確に定義する。
  • シーメンスのツールを使って過去に実施した類似のプロジェクトやテンプレートを見直し、現行プロジェクトに役立つ知見を獲得する。
• 設計とモデリング:
  • 提案されたソリューションの詳細な3Dモデルを作成する。このとき、パラメトリック・モデリング手法とダイレクト・モデリング手法を使用して、部品やアセンブリを開発する。
  • 必要に応じて、板金設計やサーフェス・モデリング、その他の要件に対応した高度なツールを使用する。
• 解析とシミュレーション:
  • 統合されたCAE機能を使用して、機械応力や熱的条件、流体力学など、さまざまな条件下で設計の挙動をシミュレーションする。
  • シミュレーション結果に基づいて設計を調整して性能基準を満たし、重量や強度、コストなどを最適化する。
• プロトタイピング (仮想および物理):
  • デジタルツイン内で仮想プロトタイプを作成し、設計の機能性や外観を評価する。
  • 物理プロトタイプの作成には、CAMを使用して製造プロセスを準備する。または、データをエクスポートして、3Dプリント技術やその他のラピッド・プロトタイピング技術を使って物理プロトタイプを作成する。
• 評価と設計反復:
  • 要件仕様や関係者からのフィードバックに基づいて設計をレビューする。設計ソフトウェアのビジュアル化ツールやレンダリング・ツールを使って、製品の構想を明確に表現する。
• 詳細設計とドキュメント作成:
  • 設計を確定し、製造と組み立てに必要なすべての詳細を追加する。
  • 詳細図面や組み立て指示書、製造および製品サポートに必要なその他のドキュメントを生成する。
• 製造と実装:
  • デジタルツインおよび統合製造システム内で製造の準備を完了し、生産プロセス、CNC加工パスなどを計画する。
  • プラットフォームを通じてサプライヤーやメーカーと直接連携し、設計ファイルや仕様を共有する。
• 製品発売とフィードバック解析:
  • 製品を製造し、発売した後は、パフォーマンスに関するフィードバックを収集する。
  • フィードバックで得た知見を今後の設計プロジェクトに活かしながら、製品を絶えず改善する。

このプロセスを通じて、Siemens Xceleratorポートフォリオは、チームメンバー間のコラボレーションや他のソフトウェア・ツールやプラットフォームとの統合を促進し、製品開発のさまざまな段階にデータをシームレスに流します。この包括的なアプローチにより、コンセプトから生産まで、より効率的で効果的なエンジニアリング設計プロセスが可能になります。

エンジニアリング設計プロセスは、イノベーションや問題解決のバックボーンとしての役割を果たし、エンジニアリング分野に不可欠です。この体系化したアプローチにより、エンジニアや設計者は複雑な課題に系統的に取り組むことができ、抽象的なアイデアを具体的な解決策に変えて、私たちの日々の生活を向上させ、技術の進歩を促進します。

エンジニアリング設計プロセスの主な役割は次のとおりです。

• 複雑な問題の解決: 体系的なアプローチで複雑なエンジニアリング課題を把握し、実行可能で効果的、かつ革新的な解決策を生み出します。
• 製品とプロセスの開発および最適化: 新製品の開発と現行プロセスの改善をサポートし、効率性、機能性、ユーザーニーズを満たしながら、費用対効果や持続可能性も重視します。
• 部門間のコラボレーションを促し、コンプライアンスを遵守: さまざまな部門間のコラボレーションを促進し、設計が規制基準、安全要件、倫理的要件を満たすように徹底することで、正しく統合された、コンプライアンスに準拠したソリューションを実現します。

このプロセスは、一連の手順を単にまとめたものではなく、製造、技術、環境ニーズの変化に合わせて形を変える柔軟なフレームワークです。エンジニアリング設計プロセスは、継続的な改善、コラボレーション、イノベーションの文化を育むことで、目前の課題に対応するだけでなく、将来的な進歩の基盤となって、持続可能で将来を見据えたソリューションを生み出す後押しをします。

製品エンジニアリング・ソフトウェアとは、製品の設計、開発、テスト、管理に使用する一連のソフトウェア・ツールとアプリケーションを指します。特に機械エンジニアリング、電気エンジニアリング、電子エンジニアリング、ソフトウェア・エンジニアリングなどの分野で使用します。これらのツールは、最新の製品開発プロセスに不可欠であり、エンジニアや設計者が信頼性の高い、複雑かつ効率的な製品をこれまで以上に迅速に開発できるようにします。

製品エンジニアリング・ソフトウェアの主なカテゴリと機能は次のとおりです。

• コンピューター支援設計 (CAD): CADソフトウェアは、製品の詳細な2Dまたは3Dモデルを作成するために使用します。製品設計の視覚化、シミュレーション、解析が可能であり、設計プロセスの早い段階でさまざまな設計オプションを比較検討したり、潜在的な問題を特定したりできます。
• コンピューター支援エンジニアリング (CAE): CAEソフトウェアは、シミュレーションおよび解析ツールを備えているため、エンジニアは応力や熱、流体力学など、さまざまな条件下で設計の性能を評価することができます。性能や安全要件、各種規格を満たすように設計を最適化するうえで、CAEツールは重要です。
• コンピューター支援製造 (CAM): CAMソフトウェアを使って、コンピューターで生成したモデルや図面から直接、製造プロセスを計画、管理、制御することができます。工作機械のツールパス生成、CNCマシンのプログラミング、生産ワークフローの計画など、さまざまな機能によって、設計と製造の間の隔たりを解消します。受賞したツールの詳細はこちらをご覧ください。
• 製品ライフサイクル管理 (PLM): PLMソフトウェアは、製品の構想段階からエンジニアリング設計、製造、サービス、廃棄にいたるまで、製品のライフサイクル全体を管理するのに役立ちます。人、データ、プロセス、業務システムをつなげて、包括的な情報バックボーンを組織内外の拡張エンタープライズに提供します。
• 電子設計自動化 (EDA): 電子部品を含む製品開発にあたってはEDAソフトウェアを使用して、プリント回路基板 (PCB) や集積回路 (IC) などの電子システムを設計および解析できます。EDAツールは、回路図の作成、PCBのレイアウト、電子回路のシミュレーションによって、信頼性とパフォーマンスを確保するのに役立ちます。

シーメンスのソフトウェアは、設計エンジニアリングに持続可能性を取り入れるために、生産ライフサイクル全体を通じてより持続可能な手法を実践するための高度なソリューションを提供しています。その画期的なソリューションの一つは、各プロセスの仮想モデルを作成できるデジタルツイン技術です。実際の機器や設備を使って試さずに仮想モデルを使ってオペレーションをシミュレーションして最適化できるため、廃棄物を削減し、エネルギーを節約し、原材料の使用を最小限に抑えられます。

また、シーメンスのソフトウェアは、製品開発の初期段階から環境への影響を配慮することで、持続可能な設計をサポートします。設計およびエンジニアリング・プロセスに持続可能性基準を組み込むことで、より効率的でリソース消費の少ない製品を開発できます。

さらに、シーメンスのエンジニアリング・ツールは、リアルタイムのデータと解析機能を提供することで、製造プロセスの継続的な改善を促進します。これにより、非効率を特定し、オペレーションを最適化し、省エネ対策を実施して、より持続可能な製造環境を築くことができます。シーメンスがさまざまな業界でどのように持続可能性を推進しているかをご覧ください。

製造業向けエンジニアリング・ソフトウェアにおいて統合設計と言う場合、さまざまなソフトウェア・ツールや手法をシームレスに組み合わせた統合的なアプローチを指します。これにより、製品開発および製造プロセス全体を合理化します。この統合は、概念設計から生産まで、製品ライフサイクル管理のさまざまな段階におよび、相互接続されたソフトウェア・ソリューションを使用してチーム間の効率的なデータ交換とコラボレーションを可能にします。製造業向けエンジニアリング・ソフトウェアにおいて、統合設計がどのような形で役割を果たしているかを以下に示します。

• シームレスなデータフロー: 統合システムにより、製品開発のさまざまな段階をデータがシームレスに流れるようにします。例えば、設計モデルに変更を加えると、解析モデルや製造指示書も自動的に更新されるため、一貫性が保たれ、エラーのリスクが軽減します。
• 連携的な作業環境: 統合設計ソフトウェアは、設計部門、エンジニアリング部門、製造部門など、部門横断的なチーム間コラボレーションをサポートします。複数のチームがそれぞれの拠点から同じプロジェクトに同時に取り組み、知見や最新情報をリアルタイムで共有できるため、効率とイノベーションが向上します。
• デジタルツイン・テクノロジー: 統合設計ソリューションは、実際の製品を仮想的に再現するデジタルツイン機能を備えているものが少なくありません。このデジタルモデルは、製品ライフサイクル全体を通じてシミュレーションや解析、最適化に使用することができ、実際の製造プロセスに役立つ貴重な知見をもたらします。